本研究ではフェノールやピリジニウム基など水素結合性官能基を有するポリマーブラシを基板表面に調製し、その基板同士を貼り合わせることで可逆的に接着と解離を繰り返すことが可能であることを実証した。特に、ポリ2ビニルピリジンとポリ4-ヒドロキシスチレンは1cm2の接着面積で約8kgのおもりを吊り下げる強度を示した。また、分子量分布やグラフト密度が接着界面に与える影響について検討した。グラフト密度が低いほどブラシ鎖が相互貫入するため接着界面の力学的強度は向上した。また、グラフト密度が高くても分子量分布が広い場合も接着界面では対向するブラシ鎖同士の混合が生じ、大きな接着強度を示すことが明らかとなった。
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