研究課題/領域番号 |
26410142
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
小川 信明 秋田大学, その他部局等, 理事 (80169193)
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研究分担者 |
藤原 一彦 秋田大学, 工学資源学研究科, 准教授 (10375222) [辞退]
丹野 剛紀 秋田大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (70390721)
松村 洋寿 秋田大学, 理工学研究科, 講師 (60741824)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 金属ナノ粒子 / サイズ排除クロマトグラフィー / 表面修飾 |
研究実績の概要 |
金ナノ粒子 (AuNPs) は、ユニークな光学特性を活かした新たな検出プローブとして注目されている。AuNPsを利用する場合、様々な分子をナノ粒子表面に修飾する必要があり、余剰の修飾分子から表面修飾されたAuNPsを精製するためには、一般的に遠心分離が用いられている。しかし、遠心分離法によるAuNPsの精製は、粒子の過度な密集により不可逆な粒子の凝集を引き起こす場合が多い。そこで本研究では従来の遠心分離に代わるAuNPsの精製法として、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を基盤とする高精度分離技術の開発を目的としている。平成27年度までの検討により、ウシ血清アルブミン(BSA)をタンパク質修飾剤のモデルとしたBSA修飾AuNPsを用いて、ナノ粒子分離に特化したSECシステムの構築を検討した。その結果、TOYOPEARL HW-65S を担体として用いることで、90%以上の収率でのBSA修飾AuNPsの分離に成功した。平成28年度は、SEC分離法がBSA以外の低分子修飾剤にも適応できるかを検討した。低分子修飾剤には、AuNPsの修飾剤として広く用いられているチオール分子を使用した。メルカプトウンデカン酸、ウンデカンチオール、アミノウンデカンチオール、ヒドロキシウンデカンチオールを用いたチオール修飾AuNPsをそれぞれ作製し、SEC分離を行ったところ、BSA修飾AuNPsと同様に高い収率での分離に成功した。また、UV-visスペクトル測定と動的光散乱測定により、表面修飾AuNPsの分散状態を確認したところ、SEC分離を用いることで、遠心分離法よりも凝集を抑えられることが明らかとなった。これらの結果から、多様な表面修飾AuNPsの精製に、SECを用いた精製法を適用できる可能性を示すことができた。
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