キャピラリーゾーン電気泳動法(CZE)の分離分析を活用することにより,水溶液一相系において速度論反応等の副反応の進行下で目的となる迅速な平衡反応の解析法の確立を目的とした.CZEでは比較的遅い反応により生成する物質は分離される一方,迅速な平衡にある化学種は加重平均の電気泳動移動度を測定できる点に本研究の特徴がある. 紫外光により分解するハロペリドール,酸性条件下で分解性を有するヘキサメチレンテトラミン,プラバスタチン,熱により分解するブプロピオン,ヒドロクロロチアジドについて,分解生成物の共存下においても目的物質の電気泳動移動度の測定を通して,それら目的物質の酸解離定数を決定することに成功した.
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