研究課題/領域番号 |
26410155
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
佐藤 しのぶ 九州工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80510677)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 電気化学的遺伝子検出 / インターカレータ / miRNA / フェロセン化ナフタレンジイミド |
研究実績の概要 |
miRNAは分化制御に関わっていることから、miRNAの迅速な定量的検出が急務となっている。そこで、申請者は発癌機構の解明や、スクリーニングのため、唾液中や血中に含まれるmiRNAを増幅することなく、直接検出することを目指す。DNA-RNA2本鎖に結合する指示薬はほとんど報告されていないが、申請者の開発したナフタレンジイミド誘導体はDNA・RNA2本鎖にも結合することが知られているため、これとDNAプローブ電極を組み合わせて、迅速かつ簡便なmiRNA検出の確立を目指す。本提案では、FNCの合成と電気化学的miRNA検出の条件検討、および口腔癌、肺癌、前立腺癌、膀胱癌について、miRNAの検出を行い、非増幅検出法の適用性を検証する。 H27年度は肺癌のマーカーであるmiR-205に相補的なDNAを固定化した電極を調整し、RNAオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション効率をヘキサアンミンルテニウムによるクロノクーロメトリー測定によって算出したところ、RNA濃度 0.002 μM-3.0 μMの範囲でターゲットRNAを検出することが出来た。肺癌のマーカー検出用の電極に対して、前立腺癌マーカーのRNAであるmiR-141を作用させたところ、RNA濃度 0.002 μM-3.0 μMの範囲ではほとんどハイブリダイゼーションしないことが明らかとなり、明瞭にターゲットRNAを検出可能であることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
臨床サンプルとして胸水に含まれるmiRNAの測定について、検討したが、 胸水のサンプル中にふくまれるmiRNA量が少なく、検出することが出来なかった。 そこで、共同研究先に血液サンプルを依頼したところ、3月末に到着したため。
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今後の研究の推進方策 |
これまでにクロノクーロメトリーでは、DNAプローブ電極でRNAのハイブリダイゼーション効率が高いことが明らかになった。今後は、血中のmiRNAをターゲットとして、本システムの有用性を評価する。
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