酸素グロー放電により金表面に生成する1 nm程度の親水性の酸化金薄膜の構造と反応性を高分解能X線光電子分光法(XPS)と波長共鳴型表面プラズモン共鳴(SPR)を用いて研究した。酸化金は空気中において数日で分解するが,酸素グロー放電の初期に生成され安定な2種類の酸素成分が表面に存在する。酸化金は還元性物質の水溶液中では分解する。塩酸と臭化水素酸水溶液では錯体を作って溶解する。塩基性の水溶液においては水溶性の水酸化金を作る。酸化金は水分子と紫外線により分解することを発見し,これらを除去することにより酸化金の長期保存を可能にし,疎水性の金表面の親水化のための新規表面処理技術に貢献する。
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