| 研究課題/領域番号 |
26410162
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| 研究機関 | 東邦大学 |
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研究代表者 |
平山 直紀 東邦大学, 理学部, 教授 (20260557)
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| 研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| キーワード | イオン液体 / マトリックス効果 / キレート抽出 / イオン交換抽出 / 三元錯体 |
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| 研究実績の概要 |
金属イオンをイオン液体に抽出する場合に、系内に共存するイオン性マトリックスの影響により生じるイオン液体系特有の抽出挙動を解析し、これを抽出分離制御に展開するという観点から、以下の研究を行った。
１．イオン液体キレート抽出系における陰イオン性単座配位子マトリックスの効果
8-(p-トルエンスルホンアミド)キノリン（Htsq）を抽出剤とするZn2+のイオン液体キレート抽出において、ハロゲン化物イオンの共存により抽出増大を示す特異的協同効果についてさらに詳細な検討を行い、ハロゲン化物イオンの種類によって抽出増大をもたらす三元錯体の組成が異なるという知見が得られた。現在その詳細について解析を進めている。
２．荷電錯体抽出系におけるイオン液体構成成分マトリックスの効果
中性配位子1,10-フェナントロリン（phen）とFe(II)およびFe(III)との錯体を陽イオン交換抽出する際、水相へのイオン液体構成成分添加が抽出に及ぼす効果に電荷依存性があることを示唆する結果を前年度に得ていたが、類似骨格を有する2,2'-ビピリジル（bpy）に中性配位子を変えることにより、両者の分離がより向上するという治験が得られた。現在、物質分離系への展開を含めて検討中である。
一方、キレート試薬2-メルカプトピリジンN-オキシド（HSPyO）を用いる2価金属イオンのイオン液体キレート抽出において，Cd2+との1:3錯体Cd(SPyO)3-が抽出される際，抽出剤濃度を低下させても抽出低下が見られないのに対し、Tf2N-の添加は抽出抑制をもたらすという知見が得られ、これについて抽出機構の解析を含め論文化した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
若干の遅れと評価した前年度と比較して、論文化という観点では必ずしも満足の行く状況ではないが、研究自体の進行に関してはかなりの進展が見られることから、総合的に見て遅れを取り戻したと判断した。
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| 今後の研究の推進方策 |
基本的には、当初予定の計画をそのまま実施する予定である。ただし、実験に協力してもらう大学院生の数が計４名に増員される。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
本来の本年度使用額に相当する金額は支出しており、前年度の未使用分がほぼそのまま繰り越された格好になっている。この差額が生じた大きな理由は、当初予定よりも少ない量のイオン液体で研究が実施できた関係で、他の予算で購入されたイオン液体原料で所要量がほぼ賄われてしまい、当研究費でイオン液体原料が購入されなかったためである。
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| 次年度使用額の使用計画 |
使用計画自体に大きな変更はなく、本年度はイオン液体原料を購入する予定である。生じた次年度使用額は、イオン液体原料の価格上昇分、および測定装置に用いる高純度ガスの購入量増加に対応して使用される予定である。
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