研究実績の概要 |
本研究の目的は、「スピンラベル剤をトレーサーとして、植物が生きたままの状態で、投与した薬剤の動的挙動計測を行うこと」である。本年度は、病原真菌細胞結合酵素を持たせた融合たんぱく質と結合するためのジスルフィドリンカー部位をもったスピンラベル剤の合成をおこなった。
出発原料である2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidoneを臭素化し、ジブロモ体を得た後、Favorskii転位により環の縮小を行い、エステルを合成した。エステルを水素還元し、オレフィンの還元を行い、後に、3級アミンを過酸化水素でN-オキシルラジカルへと導き、エステル部位をNaBH4で還元しアルコールを合成した。アルコールをメシチル化し、ヨウ素に変換した後に、sodium methanethiosulfonateを加えて、ジスルフィドリンカー部位をもったスピンラベル剤の合成を達成した。
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