研究課題/領域番号 |
26410180
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
江原 靖人 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (40251657)
|
研究分担者 |
中村 晴信 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (10322140)
開發 邦宏 大阪大学, 産業科学研究所, 特任准教授(常勤) (70419464)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | インフルエンザウイルス / 3-way junction DNA / シアリルラクトース / ヘマグルチニン / 検出 / DNAポリメラーゼ |
研究実績の概要 |
インフルエンザウイルスは現在、パンデミックが最も危惧されているウイルスで、2009年には新型が世界中で流行し、また2013年4月には中国でH7N9型ウイルスが流行し始め、まだその余波が続いている。 インフルエンザウイルスはシアリダーゼ(NA)という酵素とヘマグルチニン(HA)という3量体のタンパク質によって覆われている。ウイルスの変異速度は非常に早いためNAもHAも、その構造が時間と共に変わっていくことが、インフルエンザの予防、診断、治療を困難にしている。 しかしHAのシアル酸と結合する部位はほとんどアミノ酸残基が変異しないため、 HAのシアル酸結合部位と高い親和性で結合する化合物は、あらゆる型のインフルエンザウイルスに対して予防、診断、治療が可能な化合物が合成可能であると考えられている。だが、HAとシアル酸との結合定数は103M-1程度と低いため、高い親和性を持たせるには、HAの3つのシアル酸結合部位に同時に結合するような構造体をデザインして合成する必要があり、これまでそれが困難であった。 本研究ではシアリルラクトース修飾ヌクレオチド3リン酸、プライマーDNA、テンプレートDNA、DNAポリメラーゼを反応させることにより、インフルエンザウイルス上のヘマグルチニン(HA)の3つの糖鎖結合部位に同時に結合するような3-way junction(3WJ)糖鎖修飾DNAを合成した。糖鎖の個数、糖鎖間の間隔、アーム長などを変化させることにより、HAとより強く結合する糖鎖修飾DNAを赤血球凝集阻害実験によりスクリーニングした。この糖鎖修飾3WJ DNAをSPRセンサーチップや金コロイド上に固定化し、インフルエンザウイルス添加後の信号変化、あるいは凝集挙動変化から、インフルエンザウイルスを高感度で検出することができた。
|