本研究はセラノスティクスの創成を目指し、フッ素ポルフィリン亜鉛錯体(がん診断薬用[65Zn]-P及びがん治療薬用Zn-P)にグルコース(G)鎖とメルカプトエタノール(M)鎖を導入した[65Zn]-PG2M2とZn-PG2M2を合成した。体内動態試験の結果、[65Zn]-PG2M2はGlc鎖のみが結合したPGxに比べ、腫瘍と消化器系臓器との集積率が同程度にまで向上したことが分かった。またZn-PG2M2は、薬剤接触8時間で十分な光細胞毒性効果を示すことが分かった。これらの結果より、今回合成した化合物はセラノスティクス薬剤として期待できる。
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