ゲル界面の厚さや緩和時間の知見を得るため、固体と接するゲル近傍の全ての物質の各成分分布を共焦点ラマン顕微鏡により測定した。キシレンとオクタンニトリルは完全混合し、12-ヒドロキシステアリン酸によりゲル化される。キシレンが完全濡れを示す固体表面近傍においてのみ、キシレンが200μm以上の距離にわたり過剰に存在し、固体からの距離に線形に減衰する分布が観察された。この過剰分布は、3時間以上かけてゆっくりと均一分布へと変化した。このとき、オクタンニトリルやゲル化剤は均一に分布していた。ゲル界面がサブミリメータの厚さと数時間の溶媒緩和時間を持つことが、今回、初めて確認された。
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