固体高分子形燃料電池のプロトン交換膜としても使用されている代表的な高分子電解質であるナフィオンを用いて、その薄膜の凝集状態およびプロトン伝導特性に及ぼす界面効果について検討した。中性子反射率測定に基づき、基板界面近傍には、厚さ5 nm程度の多層水和構造が形成されていることを明らかにした。基板に対して平行および垂直方向のプロトン伝導度を交流インピーダンス測定装置にマイクロプローバーを組み合わせることで評価した。薄膜の凝集状態を考慮した解析により、基板界面において平行方向に高いプロトン伝導性を有し、垂直方向に著しく低いプロトン伝導性を有することを明らかにした。
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