生物有機酸である3-ヒドロキシブタン酸と乳酸からなる交互共重合ポリエステルの構造と高耐熱性発現の要因解明に取り組んだ。モノマーの立体構造とその組合せならびに形成する結晶内におけるコンフォメーションならびに分子鎖パッキング構造との相関を詳細に解析した。その結果、高耐熱性を示す交互共重合体においては、分子鎖のらせん半径を小さくし、より密に分子鎖をパッキングした結晶が形成され、結晶中の分子間の凝集力を高めることにより、より熱的に安定な結晶が形成されていることを明らかにした。また、乳酸に換えて様々な不斉中心を有する生物有機酸との交互・周期共重合体の合成も行い、その構造と熱物性との相関を明らかにした。
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