水溶液中で2つの向かい合ったブラシ状のDNA二重鎖(DNAブラシ)の間に生じる相互作用を、コロイドプローブ原子間力顕微鏡を用いたフォースカーブ測定により物理的な力(界面間力)として実測することに成功した。相補的な塩基対(GCペア)を表層に提示したDNAブラシ界面間では、NaCl濃度の上昇に伴なって界面間力が斥力→引力へと徐々に変化することがわかった。一方、非相補的な(CCミスマッチ配列)表層のDNAブラシ界面間では、NaCl濃度と関係なく斥力が支配的であった。このDNAブラシ界面間力の違いは、ブラシ表層の局所的な水和状態が反映されていることが示された。
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