研究課題
H2O完全分解反応に対して有効に作用できる金属イオン添加SrTiO3の調製法の検討を行った。添加金属イオンとして含浸法で有効であったNaイオンを用いNaイオン添加SrTiO3を錯体重合法、固相法で調製し、Rh0.3Cr1.7O3を助触媒として担持して光触媒とした。その結果、添加Naイオンの量と光触媒活性の相関関係は調製法を変えると異なり、錯体重合法、固相法では含浸法と比較してNaイオンの最適添加量は増加することが観測されたが、最高の光触媒活性はどの方法で調製したNa添加SrTiO3でもほぼ等しかった。以上の結果からSrTiO3調製時にNaイオンを添加して調製したNaイオン添加SrTiO3は含浸法で調製したものと比較してNaイオンがバルク中にも均一に分散するため含浸法に比較して最適添加量が増加する。また、Naイオンの分散性がH2O完全分解反応の光触媒活性に大きく影響することが示唆された。光触媒によるH2O分解反応について光触媒バルク内で光励起で生成した電子と正孔の挙動からの光触媒メカニズムの解明を目的として、この反応を高量子収率で進行できるGa2O3光触媒に波長254 nmの光を照射してH2O分解反応の照射光強度の依存性を検討した。その結果、照射光強度を弱くするとH2/O2が大きくなり見かけの量子収率が低下した、これよりGa2O3バルク内には正孔をトラップするサイトが存在し、このサイトが微弱光照射下での正孔の反応性に大きく影響することが示唆された。Ga2O3光触媒のH2O分解反応に対する高活性化の研究に基づいてGaと同族のInの酸化物であるIn2O3および金属イオン添加In2O3光触媒においてH2O酸化によるO2生成反応に対する光触媒特性を検討した。その結果、アルカリ土類イオン、重希土類金属イオンおよびイットリウムイオンの添加が光触媒活性の向上に有効であることが判明した。
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