本研究ではZr系パイロクロア酸化物中で酸化物イオン伝導度が高いEu2Zr2O7と低いLa2Zr2O7をHf含有量が少ないZrO2を用いて合成し緻密焼結体を得た。種々の酸素及び水素分圧下の全伝導度測定、乾燥又は加湿21%O2-79%N2雰囲気中298~1173 Kの温度範囲で測定した粉末XRDデータのリートベルト法による結晶構造の精密化、100~500 Kの温度範囲で測定したZr-K吸収端の放射光XAFS等これまでに得られた知見よりEu2Zr2O7の高い酸化物イオン伝導性はLa2Zr2O7と比較して不完全なパイロクロア型構造を有しZrサイトに大きな静的な構造乱れを持つことに起因すると推定された。
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