研究課題
CNC旋盤を用いた表面強ひずみ加工である摩擦加工は,旋盤による形状加工から連続的に処理が行えるため,コストアップはほとんどなく,疲労強度向上に対する効果が顕著であるが確かめられている.また前年度までの研究により,摩擦加工による強化は最表面から深さ方向に急激に弱まる傾向にあるが,切欠き材の応力分布も同様に最表面より急激に低下することから,摩擦加工による強化の効果は平滑材よりもむしろ切欠き材に効率的であり,摩擦加工は応力集中部の疲労強度向上に有効であることが明らかとなった.28年度は試験片断面に均一な応力が加わる引張り圧縮疲労強度について研究を行った.平滑試験片の場合,摩擦加工により表面強化が行われるも,内部破壊が起こるため疲労強度向上幅は16%程度と回転曲げ疲労強度と比較して低い結果となった.一方,切欠き試験片の場合は,引張圧縮疲労の場合も応力勾配があり,表面の強化は試験片全体の強化に大きく影響することが予想される.実験の結果疲労限度向上幅は20%程度になり期待を満たすものではなかった.破壊形態もフィッシュアイ破壊は観察されず,表面の強化が十分でないことが示唆された.試験片の大きさの関係で十分な摩擦加工ができていないことが原因であり.引続き研究を行う予定である.また,残留応力について詳細な研究を行った.摩擦加工によって生じたきな圧縮残留応力は,応力の繰り返初期に減少するもの安定する,その値は1500~2000MPaで十分に大きいことが明らかになった.また,この残留応力あは温度上昇とともに減少するが,表面の硬さは450℃までは維持されることが確かめられ,疲労強度に及ぼす残留応力の影響が抽出できる可能性が生まれた.
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 謝辞記載あり 1件、 オープンアクセス 1件)
43rd Annual Review of Progress in Quantitative Nondestructive Evaluation
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