前年度までに実施した機上計測技術の改善,加工モニタリング技術の検討,機上計測結果をもとにした加工誤差推定について検討を行なった.ラインレーザーセンサによる形状計測については,これまでに明らかになっている,計測対象物の材質とワーキングディスタンスの影響に加え,ライン内の計測位置によっても加工誤差傾向が異なることが明らかとなった.この結果を踏まえ,これまで提案しているリファレンス工作物の計測を元にした補正方法の拡張を行った.また,機上計測技術結果を基にした加工誤差推定については,誤差推定の基本的な枠組みの検討と実験による評価を行った.具体的には,位置決め誤差および工作物形状誤差,工作物把持による弾性変形,切削力による弾性変形の3つの要因を想定誤差要因として,工作物表面の計測結果から加工誤差要因の推定について予備実験での検討を行った.この内容は,国内学会において発表した.現在,誤差推定の妥当性について異なる把持方法での加工結果に対する推定をもとに検討を進めている.この結果についても成果をまとめて研究発表を行う予定である.また,加工誤差要因の推定に利用するための加工監視技術についても検討し,国際学会で研究報告した.現段階ではラインレーザーセンサを用いた機上計測で十分か計測精度が得られていないことから,加工誤差原因の推定実験では,タッチプローブを用いた加工表面計測結果を用いて原因推定を行っている.ひきつづき,ラインレーザーセンサを用いた形状計測の改善をすすめて実現可能性の高い機上計測を基にした推定について検討する予定である.
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