研究課題/領域番号 |
26420039
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
吉原 信人 岩手大学, 工学部, 准教授 (80374958)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ハイレシプロ研削 / ナノトポグラフィー / 研削模様 |
研究実績の概要 |
ハイレシプロ研削とは工作物あるいは砥石ヘッドを高速反転運動させて研削を行う高能率研削法の一つである.工作物送り速度が速いため,1回の工作物送りに対する砥石半径切り込み量が小さくなる.本研究は,ハイレシプロ研削法を用いて成形研削を行う際の加工メカニズムを解明し,高精度・高能率成形研削を実現することを目的とする.平成27年度はハイレシプロ研削における研削面うねりの解析法を検討し,高精度化するための研削条件選定指針について検討した. これまでハイレシプロ研削により成形研削を行う場合,ナノトポグラフィーとよばれるナノメートルオーダ振幅を有するうねりが発生することが知られている.このナノトポグラフィーは研削模様として顕著に現れるため問題となっている.そのため研削条件とナノトポグラフィーの分布の関係を明らかにし,顕著にならない研削条件の選定指針を明らかにする必要がある.そこで砥石軸の振動が工作物に転写される研削モデルをもとに,研削条件がナノトポグラフィー分布に与える影響を検討した.その結果,ある一定の研削条件下におけるナノトポグラフィー分布をシミュレートすることを可能とした. 研削条件からナノトポグラフィー分布をシミュレートすることが可能になったが,ナノトポグラフィー分布を評価指標が無いため,最適な研削条件を選定する際の指針が得られなかった.そこで新たに“ばらつき幅”という評価指針を定義した.これは同一研削面内における断面プロファイルの振幅の最大値と最小値の差である.このばらつき幅と研削条件の関係を解析した結果,ハイレシプロ研削により得られた研削面のばらつき幅は大きくなる傾向があった.したがって仕上げ研削の際には,工作物送り速度を下げる必要があること明らかとなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度に計画していたハイレシプロ研削における研削面うねりの解析を,計画通り可能とした.
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度はハイレシプロ研削における研削抵抗について解析する.この解析により,研削抵抗が小さくなる研削条件の選定指針を明らかにする.
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次年度使用額が生じた理由 |
計画的に執行した結果,端数が生じたため次年度に繰り越すこととした.
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次年度使用額の使用計画 |
成果発表を行うため,平成28年度の旅費に加算する.
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