研究実績の概要 |
高品質(高強度・高延性)軽金属鋳物を開発するための新しいハイブリッド連続鋳造技術を提案し、高速回転鋳造、超音波振動を加えた連続鋳造法を組み合わせた装置の開発に成功した。さらに高強度ナノパウダーや炭酸水素ナトリウムをある条件で配合し、熱処理することにより優れた機械的特性を得ることができた。ここの強化メカニズムは、結晶粒微細化、固溶、析出強化によるものである。 H29年は最終年度であるため、まずやり残している実験について継続して取組み、更なる高強度・高延性軽金属材料を開発を行った。また、開発した鋳造機や添加元素で得られたアルミニウム合金鋳物の材料特性についての知見について、研究論文にまとめたり、国際会議等で発表した。またさらに得られた研究成果を実用化するため、県内の鋳造メーカーと共同研究を検討している。 H29年度は添加元素Sb, Sr, Biを様々な量でAl-Si-Cu合金に添加し、特殊連続鋳造で作製した鋳物の特性について調査し、国際的な科学雑誌Journal of Mechanical Science and Technologyに出版した。この論文は“2016 Second Best Paper Award”を受賞した。この受賞は、本研究成果が将来の機械工学の発展に期待されることが評価され、受賞が決定している。Journal of Mechanical Science and Technologyは、独Springer社出版のジャーナルで、毎年およそ700篇の学術論文が掲載されており、この論文賞は、学術上優れた論文3篇以内が授与される賞である。
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