研究実績の概要 |
形状創成放電加工用電極消耗予測システムの実験計画法援用による高精度化 【研究目的】棒状電極を用いた形状創成放電加工法は電極消耗予測の精度が低いために実用化への目処がたっていない。その原因として、加工条件だけでなく棒状電極半径や電極回転数など多くの因子が影響していることによる実験結果のばらつきの大きさが指摘されている。本研究では実験計画法のL18直交表を用いた実験により、電極消耗率に影響する因子とその水準の同定を行い、電極消耗予測の精度を上げることを研究目的としている。 【実験実施計画】平成27年度は前年度に引き続きL18直交表を適用する電気加工条件等の因子と各水準の検討・選定を行うとともに、加工実験を行い、電極消耗に影響を与える因子とその水準の同定を行う。 【研究実施概要】前年度の検討結果から更に検討を重ね、因子・水準共に変更して下記の因子および水準で実験を行った。(1)電極極性(正・逆), (2)無負荷電圧(90/120/165 V), (3)電流ピーク値(24/36/48 A), (4)放電時間(50/100/150 micro-s), (5)Duty Factor(40/60/80 %), (6)周速度(100/150/200 mm/s), (7)加工深さ(1.0/0.5/0.2 mm), (8)電極傾斜角(30/15/0 °)。これらをL18直交表に基づく組み合わせで実験を行い、実験結果を要因効果図で比較した結果、以下の知見が得られた。(1)電極消耗率に対する効果は放電時間が最も影響しており、最大82%の軽減が確認された。(2)加工速度については電極極性が最も影響し、逆極性は正極性と比較して最大83%向上した。(3)電極消耗率に関して実験範囲内では、正極性・電流ピーク値/24 A・放電時間/150 micro-s・Duty Factor/80 % が望ましい。
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