本研究では,機械構造物の減衰能の向上および騒音の低減を目的として,ステンレス鋼製の角パイプに粒子および液体を充てんした構造物において,多数のパラメータを変化させて減衰特性を実験的に検討するとともに,減衰能発生機構を明らかにすることである. 平成27年度は,粒径および液体粘度を変化させて減衰特性を調べるとともに,粒子挙動の観察を行うことで,減衰特性を向上させるための条件や減衰能発生による粒子挙動の違いなどが明らかとなった.しかしながら,粒子の材質の違いによる質量比の影響や構造材の厚さによる剛性の確保の検討,および減衰能発生機構の詳細な検討などは行えていなかった.また,粒子に作用する抗力の計算を行い,粒子挙動との比較まではできていない. 平成28年度の研究では,粒子の材質などを変化させて粒子および液体充てん構造物の減衰特性に及ぼす質量比の影響を検討するとともに,構造材の厚さを変化させた場合の機械構造物の剛性の確保について明らかにすることを目的とする.さらに,粒子挙動の観察や粒子に作用する抗力の解析を行うことによって,減衰能発生についても検討した.
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