ある条件でガラス表面にレーザを走査させると,溝のような形状のき裂がレーザ誘起熱応力によって誘導され,カールしたガラス片と鏡面の溝が発生する現象がある.本研究の目的は,この現象のメカニズムを解明し,脆性材料の砥石研削に代わる新たな除去加工技術へと応用するための指針を得ることである.特に本研究期間では,レーザ照射領域よりも狭いガラスに対して本現象を適用し,そのき裂の深さと先端の位置関係を,FEM解析から評価した応力拡大係数の分布と比較・検証し,そのメカニズム解明に取り組んだ.また,最低限必要な初期き裂の形状や寸法についても応力拡大係数から予測した.
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