本研究では,集束イオンビーム加工や熱処理等によるダイヤモンド,cBNの表面構造の改質や回復を利用して,加工単位数百nm~数μmの加工性に優れた精密加工用切削工具の開発とその応用化について検討した.ダイヤモンド工具に微細なテクスチャを作製することで,工具の摩擦が減少し,加工特性を大きく改善できることを明らかにした.この現象の加工条件,テクスチャの形状依存性について検討するとともに,ナノ多結晶ダイヤモンド工具やバインダレスcBN工具への応用化を行った.さらに高能率なテクスチャ作製法について検討した.以上の結果より,本技術によって精密切削加工における高度化が可能であることを明らかにした.
|