研究課題/領域番号 |
26420071
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研究機関 | 一般財団法人ファインセラミックスセンター |
研究代表者 |
石川 由加里 一般財団法人ファインセラミックスセンター, その他部局等, 研究員 (60416196)
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研究分担者 |
菅原 義弘 一般財団法人ファインセラミックスセンター, その他部局等, 研究員 (70466291)
姚 永昭 一般財団法人ファインセラミックスセンター, その他部局等, 研究員 (80523935)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | SiC / 単結晶 / 加工 / 欠陥 / 転位 / 積層欠陥 |
研究実績の概要 |
パワーデバイス材料として注目を集める単結晶4H-SiC では機械加工ダメージを除去する適切なエッチング液がない。そのため機械加工で導入された極表面欠陥の除去は難しく、エピ膜品質の著しい低下が起きる。しかし、欠陥の直接検出が非常に難しく、その構造すら正確にわかっていない。砥粒の動きを制御したモデル加工を行い、結晶に導入された欠陥の正確な構造と加工条件の対応を明らかにすることで導入メカニズムを理解しその科学的根拠に基づいて加工導入欠陥を低減する指針を得ることを目的とする。本年度はSiC単結晶のモデル加工による欠陥導入と欠陥の分類および機械加工導入転位の構造解析に関する項目を中心に検討を行った。 直径2inchの4H-SiC単結晶をそれぞれ、遊離砥粒・固定砥粒を用いて切断した。比較的機械的に欠陥が入りにくいとされている放電加工で切断したものも用意し、3種のモデル加工試料を準備した。本試料の表面形状をAFM, STM, レーザー顕微鏡で評価すると共に、加工ダメージをRaman散乱法、CLイメージング法で評価し、導入された欠陥構造は電子顕微鏡を用いて評価した。 その結果、加工法によって欠陥の分布、種類等の特徴が異なることが明らかとなった。遊離砥粒切断では、面内・深さ方向ともに欠陥分布は不均一であり、特に深くまで伸びた欠陥として三角形のダメージの多い領域とその直下の転位ハーフループの束からなるものが特長的であることがわかった。固定砥粒切断では面内の欠陥分布は比較的均一であり、深さ方向では表面近傍に一様なダメージ層、積層欠陥、転位ハーフループが導入される。放電加工法では、表面にSiCの分解で発生したSiおよびCが付着している。これを除去後の表面には丸い穴が高密度に分散していた。穴周辺には積層欠陥や3C-SiCおよびクラックが分布していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度および次年度はSiC単結晶のモデル加工による欠陥導入と欠陥の分類および機械加工導入転位の構造解析に関する項目を中心に検討を行う計画となっており、計画通りに進行している。
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今後の研究の推進方策 |
応募時の計画に従い、SiC単結晶のモデル加工による欠陥導入と欠陥の分類および機械加工導入転位の構造解析に関する項目を中心に検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
成果発表に係る海外出張をしなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
結晶の加工および評価に係る消耗品の購入に充てる。
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