現代の輸送機器のほとんどは化石燃料をエネルギー源としている.しかし,化石燃料の枯渇や排気ガスによる大気環境汚染が問題となっており,エネルギーを有効活用するための技術が求められている.大型船舶のディーゼル主機関では,燃料のもつエネルギーの約35[%]が排気ガスの熱として捨てられている.排気熱から蒸気を生成し,スチームエンジンによる発電が可能となれば,大幅な船舶の省エネルギー化が実現できる. 本研究の目的は,船舶の低圧の蒸気を使用して作動するクラウンカムを用いたスチームエンジンの開発である.このスチームエンジンは,構造が単純であるため,製作コストが低く,実用化後は船舶への導入が非常に容易である.
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