本研究では薄板材の深絞り加工を対象に,成形中に材料を押さえる力であるブランクホルダー力を制御しつつ,成形後の耳が最小となるようなブランク形状の同時最適設計法を提案した.提案手法の基礎的検討を行うため,角筒を対象に可変ブランクホルダー力とブランク形状の最適設計を行い,サーボプレスで検証実験を行った.次に,複雑形状を対象に,シミュレーションで分割ブランクホルダー力とブランク形状の同時最適設計を行い,サーボプレスで検証実験を行い,整合性の高い結果を得た.自動車部品等の複雑な成形品に対し,成形不良なく成形するためには分割可変ブランクホルダー力は有効な成形法の一つであることを示すことができた.
|