| 研究課題/領域番号 |
26420102
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| 研究機関 | 東北大学 |
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研究代表者 |
米村 茂 東北大学, 流体科学研究所, 准教授 (00282004)
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| 研究分担者 |
山本 恭史 関西大学, システム理工学部, 准教授 (90330175)
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| 研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| キーワード | 液滴 / 界面 / マイクロ気体流れ / 混相流 / 分子気体力学 / 数値流体シミュレーション / Front-tracking法 / アダプティブメッシュ |
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| 研究実績の概要 |
平成26年度に、液滴と液面の変形や液体内の流動を無視して現象を簡単化し、液滴―液面間の分子気体潤滑膜の圧力発生解析と連成させながら、液滴と液面の運動をラグランジュ的に追跡するシミュレーションコードを開発したが、27年度はその計算コードを用いて、現象の分析を進めた。計算では、液滴が落下して、振動する液面に接近すると急減速され、その後、振動する液面とともに動き、液面が下に振れる時に、再び離れ、また液面に落下するという繰り返しに移行した。この繰り返しは実験による観察と整合している。シミュレーションでは、この繰り返しが定常的に持続して、非合体を続ける液滴と、液面と接触して合体する液滴に別れた。その結果から合体・非合体を分ける要因を考察して、その分かれ目を理論的に予測した。液滴の質量、大きさ、液面の振動数、振幅が異なる場合について数多くの数値計算を実施したところ、合体・非合体の分離は理論的予測と概ね一致した。
一方、現実的な液滴―液面の系で現象を再現するため、液面の運動を追跡するFront-tracking法と液滴・液面間の狭い間隙を表現するアダプティブメッシュを用いた数値シミュレーションを行い、その結果について検討した。その結果、現状の手法では、計算格子の解像度に依存し収束性を示さないことが確認された。この解像度依存を解消するため、液面・液滴間の狭い間隙に潤滑理論を適用することを考え、データの検証を試みた。まず、高解像度計算の結果を潤滑理論で再現できるか確認するため、シミュレーションで得られたデータより、上下速度を入力として圧力が再現できるか、圧力を入力としてマランゴニ応力が再現できるか、マランゴニ応力を入力として圧力が再現できるか、を検討した。その結果、速度のみでは不十分で、圧力からマランゴニ応力か、マランゴニ応力から圧力であれば、妥当な結果が得られることが分かった。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
液滴、液面を簡単化したモデルの上ではあるが、液滴と振動液面の運動と、両面間の気体膜での圧力発生を同時に追跡しながら、合体、非合体を再現し、詳細に分析して、合体・非合体を分ける理論を構築するなど、現象の理解が大いに進んだため。
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| 今後の研究の推進方策 |
界面活性剤が吸着した系のシミュレーションの解像度依存を解消する手法として、液面―液滴間の間隙に潤滑理論を併用して圧力情報を元にマランゴニ応力を与えて間隙の空気排出抑制の表現精度を上げる、もしくは、マランゴニ応力を元に圧力を与えて間隙空気による反発力の表現精度を上げる、といった数値計算モデルを開発し、検証を行う。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度は効率的に研究を進めたために32万円の次年度使用額が生じた。
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| 次年度使用額の使用計画 |
上述の次年度使用額と28年度の請求額を合わせ研究を進めて行く。具体的には、数値計算結果を分析するためのソフトウェアなどの計算機用ソフトウェアの購入、情報収集および成果発表のための学会参加の出張費と参加費、論文の英文校閲費用、および論文投稿料などで助成金を使用して行く。
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