④ 濡れ性およびSlippage問題の検討 2相の界面が物体に接する3相の接触線では,濡れ性あるいは接触角が重要になってくる.2相系LBMにおいて静止壁にこの接触角を導入することは,すでに実績があり問題はないが,移動物体をIBM(埋め込み境界法)で表わしたときに接触角を導入する方法を検討した.さらに,3相の接触線では,物体表面上での流体のno-slip条件と気液2相界面の移動が両立しないSlippage問題がある.2相系LBMでは,このSlippage問題は2相の移動度を考慮することにより解決できる.そこで,3相系LBMについても移動度がうまく考慮できてSlippage問題が解決できるかどうかを調べた. ⑤ 開発手法の実用性の検討 気液界面に物体が衝突する場合に,物体の働く衝撃力,液体表面の跳ね上がりや微小液滴の分裂,球が沈むときの気体の巻き込みなどを調べ,既存の実験結果と比較し,開発手法の実用性を検討した.さらに,その他の実際的な3相問題にも適用した. 3年間で行った研究により,今後の研究課題を抽出し,次段階の研究へ発展させる.例えば,「京」を中核とするHPCIシステム利用研究課題募集に「次世代流体シミュレーション法の開発およびその応用研究」として応募する.
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