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2015 年度 実施状況報告書

ディスク型SOFCを模擬した多孔体円板流路における加熱旋回流れの最適化

研究課題

研究課題/領域番号 26420123
研究機関芝浦工業大学

研究代表者

角田 和巳  芝浦工業大学, 工学部, 教授 (70255644)

研究分担者 末包 哲也  東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (30262314)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード流体力学 / 固体酸化物形燃料電池 / LDV計測 / 多孔質体 / 流量
研究実績の概要

燃料電池は分散発電の中核を担う技術の一つであり,高温域で作動する固体酸化物形燃料電池(SOFC)と熱機関を組み合わせれば,数MW級の高効率分散型発電システムを実現することも可能である.しかし,このようなシステムで高い総合効率を達成するためには,電力変換の過半を担うSOFCの性能向上が不可欠とされている.そこで我々は,流動様式の自由度が高いディスク型SOFCに着目し,電池性能の向上に寄与するような流路形状を検討してきた.その結果,インボリュート曲線形状の集電体を用いて流路内に旋回流れを発生させることにより,流れ方向の速度分布が一様な状態に改善されることを実証したが,局所的な流れの偏向や集電体近傍における減速領域の存在なども明らかとなった.したがって本研究では,上記の現象に対する改善策として,流動抵抗の軽減が期待できる透過性を持つ金属多孔質体の集電体を設置し,二次元レーザドップラー流速計(LDV)を用いた速度計測によってその効果を検証した.当該年度は気孔率・透過率を新たに設定して実験を行い,流れの一様性を維持することができる多孔質パラメータには適切な範囲が存在することを明らかにした.
一方,実機のSOFCは単セルを積層したスタック構造をとることから,上記のような一様性に秀でた流れ場をスタック全体で実現するためには,各流路への供給流量を均等化することが重要となる.したがって当該年度の研究では,ディスク型セルを三段積層したモデル流路を作製し,各平行円板間に流れる流量を一様化するための手法について検討した.複数の流量供給方法を調べたところ,ディスク型流路の導入管内壁に沿って複数の円柱細管を並べ,それらの管内にのみ作動ガスを流したとき,各円板間の流量は最も均一となることが確認された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画に基づいて,気孔率・透過率の異なる金属多孔質体を設置した実験を行い,速度場の詳細な分布を取得するとともに,適切な多孔質パラメータを絞り込むことができた.また,これまで未検討であった流量の均等配分方法について,いくつかの手法を実験的に試行し,問題点の所在を明らかにした.これらの現状から,研究課題の進捗はおおむね順調と考えている.

今後の研究の推進方策

燃料電池の電極が透過性を持つことを考慮して,多孔質壁面で構成された平行円板流路内の流体挙動を調べる.これまでは低レイノルズ数の層流場のみ対象としてきたが,燃料や空気の利用率が低い場合,流量増加に伴い円板間流れが乱流場へ移行する可能性もある.そこで,ディスク型流路内の旋回乱流を計測対象とする.
また,SOFCは高温下で作動するため,ガス流と多孔性電極の接触面付近で生じる物理現象は,加熱された多孔質壁面に沿う流れの挙動と密接に関連している.このような流れの特性に関する基礎的知見を得るため,二次元平行チャネル内に加熱シートおよび多孔質板を設置し,層流場で速度分布と温度分布を計測する.

次年度使用額が生じた理由

PIVを用いた速度計測を計画していたが,実験条件や計測条件に関して再検討および調整を要する事項が多く,当該年度はPIVに関する機器の新規購入を控え,レーザ光源をレンタルで対応することにより実験を行った.そのためPIV関連機器への支出は粒子発生器のみとなり,次年度使用額が発生している.

次年度使用額の使用計画

前述の状況を踏まえ,予算内で導入可能なレーザ光源が調達できる場合には該当機器を購入し,困難と判断した場合にはレンタル費としての使用を考える.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] ディスク型SOFC流路内の速度場に及ぼす集電体の透過率・気孔率の影響2016

    • 著者名/発表者名
      武藤浩紀,角田和巳,二瓶達彦
    • 学会等名
      日本機械学会関東支部第22期総会・講演会
    • 発表場所
      東京工業大学 大岡山キャンパス
    • 年月日
      2016-03-10 – 2016-03-10
  • [備考] 最近の研究テーマ

    • URL

      http://www.ecl.mech.shibaura-it.ac.jp/Laboratory/research.html

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公開日: 2017-01-06  

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