本研究では、伝熱板に吸着材を薄膜塗布して作製あるいは板と一体化させて作製した伝熱促進型蒸気吸着体を対象として、水蒸気の吸着・脱着の反応速度測定を行った。測定装置にはカンチレバー方式とQCM方式を採用した。速度の温度依存性はアレニウスプロットにしたがうことを確認した。また、吸着体表面の濃度境界層内と粒子内拡散の各水蒸気移動抵抗を分離し、蒸気中では濃度境界層の抵抗が無視できることを、湿り空気中では吸着でも脱着でも風速が0.1 m/s 程度で抵抗が十分に小さくなることを明らかにした。そして、これらの各移動抵抗を予測する実験式を提示した。
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