| 研究課題/領域番号 |
26420152
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| 研究機関 | 滋賀県立大学 |
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研究代表者 |
山根 浩二 滋賀県立大学, 工学部, 教授 (10210501)
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| 研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| キーワード | 圧縮自着火 / 低圧縮比機関 / 火花放電誘発 / 燃焼可視化 |
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| 研究実績の概要 |
本年度は，火花放電により自己着火が促進する様子を燃焼火炎の直接撮影によって確認することを目的に，既有の試験用単気筒ディーゼル機関をボトムビュー可視化機関に組み替え，高速度ビデオカメラ，ミラー，光学ピストンなどによる直接撮影と，既有の定容燃焼容器を用いて，低圧縮比ディーゼル機関相当の雰囲気での燃焼実験を行った．
まず，既有の四サイクル小型直接噴射ディーゼル機関を，ボトムビュー可視化機関に変更する改造を行った．本研究用に新たにピストン形状の変更，可視化用シリンダヘッドへの点火プラグ設置等の改造を行った．また，ボトムビュー可視化機関の燃料噴射系を，既設のジャーク式噴射系から，備品として購入したモータポンプユニットを組み合わせたコモンレール式高圧燃料噴射系に変更した．実験では，通常のディーゼル軽油あるいは高自着火性のラウリン酸メチルを燃料に使用し，圧縮比１４の低圧縮比おいて，機関回転速度900rpmの始動時を模した実験条件にて，ディーゼル燃焼火炎の高速度直接撮影を行った．その結果，低速・低圧縮比下においては，軽油に比べてラウリン酸メチルは，燃料噴射開始の早いサイクルで火炎が安定することが明らかになった．
つぎに，既有の定容燃焼器を用いて，水素希薄予混合気を充填し，その燃焼によって高温・高圧を発生させ，ディーゼル機関の自己着火雰囲気の圧力・温度に達した時点で所定量の燃料噴射を行い，自己着火を生じさせる方法によって，低圧縮比機関と同等の燃焼雰囲気条件を再現し，ラウリン酸メチルを燃料に用いて圧縮自己着火できる方法を確立した．平成27年度実施予定としていた火花放電から着火に至る期間における活性化学種濃度分布の時間変化の光学計測を26年度に前倒しで行った．その結果，火花放電によって発生したOHラジカルが，噴霧によって流されて，噴霧に外周部に形成された混合気の自己着火を誘発することなどが明らかになった．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ボトムビュー可視化機関において，火花放電による誘発自己着火がまだ完全に観察されていないが，27年度に実施する予定としていた，定容燃焼容器による活性化学種発光の可視化によって火花放電誘発自着火現象のメカニズムが一部解明できつつある．
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| 今後の研究の推進方策 |
前年度に引き続きボトムビュー可視化機関を用いて，火花放電を行った場合の自己着火現象を可視化観察し，燃料噴射圧力やスワールなどの因子が燃焼安定性に及ぼす影響を調査する．なお，機関の改造等はほぼ終えており，研究遂行できる．
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| 次年度使用額が生じた理由 |
消耗品である予備のボトムビュー可視化機関用の可視化ピストン石英ガラスの製作完了が前年度内に間に合わないため，次年度執行とした．なお，石英ガラスは，僅かなフェアクラックが発生すると機関の破損につながるもので，代替えの予備を常に準備しておく必要性の高いものである．
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| 次年度使用額の使用計画 |
本年度に可視化ピストン石英ガラス費用として執行する計画である．
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