氷の冷熱はその適応範囲は広いため,より多くの冷熱を得るための効率的製氷が重要となるが,その不可避の阻害因子が過冷却と冷却面への付着である.そこで,界面活性剤分子の界面吸着により,過冷度と氷の銅板へのせん断応力(付着力/氷の付着面積)を同時制御するための研究を行った.その結果,界面活性剤濃度の増加に伴い,臨界ミセル濃度(CMC)まではせん断応力は低下することを明らかにした.同時に,平均過冷度はCMCまでは増加し,かつ,純水の平均過冷度より各段に大きいが,CMCを超えると一気に純水の平均過冷度より低くなることを明らかにした.また, CMC前後とCMCでの平均過冷度の支配因子を明らかにした.
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