摩擦特性を有する1入力配管系に対して提案されている手法を、2入力を受ける弾塑性配管系に応用し、求められた推定値と時刻歴応答解析により求められる厳密解との比較、及び2入力の加振実験を行い、以下の結果を得られた。(1)2入力の相関係数が増加すると、応答低減係数が増加する。また、相関係数の増加に伴い、推定法の精度も向上する。(2)入力波の卓越周波数帯域と配管の固有振動数の組み合わせによって、推定精度変化するが、いずれの組み合わせにおいても、配管の応答が大きいとき、その精度は向上する。(3)初期剛性と降伏後の剛性比αが減少すると、応答低減係数は増加し、それに伴い、推定法の精度は向上する。(4)上記の推定法に補正係数を用いることで、数値解析解のとの誤差が役半分に減少した。(5)αと応答低減係数の厳密解との関係から、近似式を求められ、この近似式により、任意のαでの応答低減係数を良好な精度で巣指定することができる。(6) 実験において、2つのアンプの出力精度に違いが生じ、最大応答にばらつきが生じたが、相関係数が大きくなるにつれて、応答が低減することが分かった。
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