鉄道の安全性向上のためには,軌道状態を監視し,その状態に応じて適切な保守を行うことが必要である.軌道不整は車両の振動による乗り心地の悪化とともに脱線の危険を増大させるため,重要な項目であると言える.しかし,コストの問題から地方鉄道では,十分な検査が行えない事業者も少なくない.本研究では,地方鉄道の軌道状態の常時監視を目的として,営業車両の車体振動加速度から,軌道変位を推定する逆問題を解くアルゴリズムを考案し軌道状態の診断を行った.その結果,高低不整量の大きい箇所については良好な精度で推定できていることが確認し,本研究で開発したアルゴリズムを搭載したレール状態常時監視システムの有効性を実証した.
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