研究課題/領域番号 |
26420189
|
研究機関 | 鳥羽商船高等専門学校 |
研究代表者 |
林 浩一 鳥羽商船高等専門学校, その他部局等, 准教授 (30613947)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | エラストマー / 磁場 / 固有振動数 / 弾性率 / 減衰率 |
研究実績の概要 |
磁性エラストマー製人工声帯の性能に大きな影響を与えると考えられる,磁性エラストマーの物性を調べるために,平成26年度に確立した手法により,磁性エラストマーはりの製作を行った.磁性エラストマーはりは,磁性微粒子の含有割合と,磁性微粒子の配置が異なるものを合計6種類製作し,それぞれのはりについて,印加磁場強度を実験パラメーターとして,固有振動数,縦弾性係数,対数減衰率の測定を行った.その結果,磁性エラストマーはりへの印加磁場を強くするにしたがい,固有振動数と対数減衰率は高くなる現象は確認できたが,縦弾性係数については,印加磁場強度の違いによる顕著な変化は見られなかった.また磁性エラストマーはりは,それに作用する磁気的な吸引力を主要因として固有振動数が変化しており,縦弾性係数や対数減衰率の変化が固有振動数に及ぼす影響は少ないことが明らかになった.一方で磁性エラストマーを構成する磁性微粒子の配置については,磁性微粒子がランダムに配置している場合と,クラスターを構成して方向性を持って配置している場合とでは,固有振動数と縦弾性係数に差が生じることが明らかになった.対数減衰率に対しては,印加磁場が比較的強い条件下でのみ,磁性微粒子の配置の違いによる影響が顕著に現れる現象を確認できた.なお以上のことは,磁性エラストマーを用いた,人工声帯をはじめとする様々な機器を設計を行う際に必要となる基本的な情報である. 一方,人工声帯については,実験で使用する人工声帯の基本形状を決めるとともに,それが発生する音の測定や,振動挙動を観察するための実験システムを構築の構築を行った.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成27年度は,平成26年度に生じた遅れを挽回すべく,磁性エラストマーの物性測定と人工声帯の評価実験準備を並行して進めた.その結果,若干の遅れを取り戻すことができたが,当初の予定に対しては,まだ遅れている状況にある.
|
今後の研究の推進方策 |
これまでに明らかにしてきた磁性エラストマーの物性をもとに,人工声帯を設計・製作し,磁性エラストマーの構成や,人工声帯の形状,印加磁場が,人工声帯により発生する音に及ぼす影響について調べていく.
|