研究課題/領域番号 |
26420190
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研究機関 | 公益財団法人名古屋産業科学研究所 |
研究代表者 |
石田 幸男 公益財団法人名古屋産業科学研究所, その他部局等, 研究員 (10092991)
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研究分担者 |
池田 隆 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50115523)
長坂 今夫 中部大学, 工学部, 教授 (60102779)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 風車 / 着床式風車 / 浮体式風車 / 制振 |
研究実績の概要 |
最初に,3枚のブレードをもつ陸上風車と着床式洋上風車をとりあげた.簡単のため,そのブレード間に連成のないと仮定し,解析モデルとしては,風速が高さによって変化する風の力を受けて励振される1枚の剛性ブレードを考え,そこに遠心振り子型動吸振器とばね・質量型動吸振器を取り付けてその制振効果を調べた.いずれの系でも,振り子あるいはばね・質量の動きを固定した場合には,回転角速度の4倍,3倍,2倍のピークが低速側から順番に現れた.前者では,振り子を自由にすると,いずれの共振ピークが小さくなり,制振効果が確認されたが,低回転速度領域においては,遠心力が小さくなるため重力の影響が出て,ブレードの振動が大きくなることを明らかにした.後者では,ばねと質量の大きさを動吸振器の定点理論によって決定した.この場合も各共振ピークに対して良好な制振効果が認められた.さらに,この場合は,振り子のように回転することがないので,低速側で振動が大きくなることはなかった.その点からは,ばね・質量型動吸振器のほうがよいと考えられる. 次に,浮体式洋上風車の振動を解析した.浮体式洋上風車では,励振力として,風の力と波の力が同時に加わる.解析モデルでは浮体とタワーを1つの剛体とし,そのタワーの上にある回転軸に3枚の剛体ブレードが付いている.ブレードの回転速度を一定に保ち,波浪の振動数を変化した場合には,浮体の角変位運動が共振した場合には,ブレードも連成して共振するが,一方ブレードが共振するときには,浮体はあまり影響を受けないことがわかった.波浪の振動数を一定に保ち,ブレードの回転速度を上げていった場合には,係数励振作用によって回転速度の2倍の振動数の共振がブレードに現れるが,このとき浮体はほとんど振動していない.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書では,陸上風車と着床式洋上風車については,回転する1枚ブレードについて遠心振り子型動吸振器と液体型動吸振器の制振効果について研究計画をたてたが,前者については実施て結果が得られた.後者については準備中である.なお,計画にはなかったばね・質量型動吸振器についても解析を行い,結果が得られた.浮体式洋上風車については,浮体,タワー,3枚ブレードについて基礎的な振動特性を解析し,結果が得られた.ダンパーの制振効果については計算中である. また,実験に関しては,装置の設計を行い,製作に着手すると計画を立てたが,これについては計画どおり進んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
これから,実施することは,液体ダンパーの制振効果について調べること,陸上風車・着床式洋上風車・浮体式洋上風車の実験を行うことを計画している.おおむね,予定どおりである.
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次年度使用額が生じた理由 |
実験で用いるセンサー等の選択に時間がかかっているため
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次年度使用額の使用計画 |
H27年度中には実験計画の詳細が決まり,実験装置が完成するので予算を使用可能である.
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