本研究は,人の手と同様に多様な把持と操作が可能な多指ハンドの実現を将来目標に据え,安易な人の手の外観の模倣ではなく,人の把持動作の詳細な観察や内在筋と外在筋を有する人の手の筋骨格構造の本質的理解に基づき,様々な形状の物体のピッキングが可能な二指ハンド機構を開発した.人のピッキング動作の観察から,重量物等の「つかみ」と小物の「つまみ」加え,薄物の「すくい」が必要であることを見出した.開発したハンドは,この3つの把持様式を可能とする5節・4節複合リンク機構を有する2自由度示指と5節1自由度劣駆動の拇指から構成される二指ハンドである.
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