研究課題/領域番号 |
26420208
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
稲葉 毅 東海大学, 情報理工学部, 教授 (90242271)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 手先インピーダンス / 操作性 / 作業姿勢 / 作業方向 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,重量物の運搬や組み付け作業等を支援するパワーアシストシステムが,作業者にとって使いやすくなるように,人間の手先インピーダンスを考慮した制御手法を開発することにある. 平成27年度は,機械側のパラメータを調整するアルゴリズムの開発と検証を計画していた.実際は,初年度の目標の一つである手先インピーダンスの特性変化モデルの導出を達成した上で調整アルゴリズムの検討を進めることとした.手先インピーダンスモデルを構築するための既存のパワーアシストシステムと初年度に導入したモーションキャプシャシステム,および,表面筋電位測定装置を組み合わせた新たなシステムを構築した.その構築と並行して,表面筋電位信号の取り扱いを簡便な1軸の実験装置で検討し,パワーアシストシステムに応用した成果を研究会および学会で口頭発表した.これは,従来の力センサだけを用いたパワーアシストシステムの問題点を指摘し,表面筋電位信号の有用性を指摘したものである.また,自動調整アルゴリズムのベースとなる,手先の目標位置に応じて操作対象特性をどのように調整すべきかを検討した結果得られた新たな知見を研究会で発表している.しかし,平成27年度中の自動調整アルゴリズムの開発には至っていない.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新規導入したモーションキャプチャーシステムと表面筋電位測定装置を既存のパワーアシストシステムに統合して実験装置を再構成することに予想以上に時間がかかっている.特に,モーションキャプチャーの測定データとその他のセンサの測定データとの同期を取る必要があり,ソフトウェアの構成に手間取った.既存の実験装置の制御用PCの能力不足も判明し,置き換えも行っている.さらに,モデル化のためには複数人のデータを取る必要があり,測定と解析に時間がかかっている.
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今後の研究の推進方策 |
構築した新実験システムでの実験を引き続き行い,モデル構築のための十分なデータ取得および解析を急ぐ.平成28年度は計画では奥行き方向に自由度を拡張した検討を始めることとなっているが,まずは現状の2自由度でのモデル化と調整アルゴリズムの確立をめざす.
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次年度使用額が生じた理由 |
学会発表が近郊であったため,宿泊が不要で交通費も少額であった.
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次年度使用額の使用計画 |
解析用ソフトウェアの導入,および学会発表旅費として使用する予定である.
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