研究課題
高齢者ドライバの安全快適な運転を支援するアクティブセーフティセンシングに関して,自車両のセンシング情報と周辺車両や環境インフラからのセンシング情報を連携・協調させることで,高精度の周辺環境認識,車両の異常走行事象を認識するセンシング手法を検討した.主な実績を以下に示す.1.周辺環境認識-環境センシングシステム-:車載センサやインフラセンサとしてマルチレイヤレーザスキャナを対象とし,そこから得られる周辺環境のセンシング情報をもとに静止/移動障害物を検出するとともに,移動障害物(移動物体)の位置や速度,大きさを推定する方法を開発した.また,レーザスキャナ情報により機械学習により移動物体種別(自動車,バイク,歩行者)を判定する方法を開発した.2.周辺環境認識-協調環境センシングシステム-:上記環境センシングシステムの機能を拡張し,自車両や周辺車両,環境インフラから得られた周辺環境の移動物体に関する観測値情報をクラウド上に集約して死角を軽減し,移動物体を高精度で認識する集中型協調センシング手法を開発した.さらに,通信系の故障やサーバ故障等にも対応するため,集中型協調センシング法を発展させた階層型協調センシング法を構築した.3.車両挙動認識-車両異常事象センシングシステム-:車両の急旋回や蛇行運転のみならず人物の転倒など,交通環境における自動車,二輪車,人物などの移動物体に対する様々な突発異常挙動を検出する方法を検討した.4.実験プラットフォームの構築と評価実験:上記センシングシステムを実装するプラットフォームとして,マルチレイヤレーザスキャナを有する電動車いすとマイクロモビリティ,環境インフラを基礎とした実験システムを整備し,評価実験を行った.また,センシングシステムの性能を複数の学外展示会やテレビ取材を通じて公開(デモ)した.
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