本研究では、地球スケールの電磁環境問題である自然電磁気現象の電磁界解析手法の確立を目的とした。まず、球座標系の一部で適用できる吸収境界条件であるPMLを開発した。数値計算から開発したPMLは効果的な吸収性能を示すことが分かった。次に、VLF大地ー電離圏導波管伝搬を用いた電離圏D層の電子密度同定問題を検討した。同定に用いるパラメタを適切に選べば十分に電子密度を近似できることが分かった。最後に、地殻内電磁波伝搬の数値解析法として重みつきラゲール多項式(WLP-)FDTD法を検討した。WLP-FDTD法はこの問題で極めて高い性能を示し、従来のFDTD法に比べ3000倍高速であることが分かった。
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