本研究は600 ℃以下での熱電子発電技術の開発を目指し、プラズマ処理を用いた半導体エミッタの熱電子放出特性向上を目的とした。また、熱電子放出特性と併せて表面原子構造を検討することで、半導体エミッタに関わる課題について検討した。プラズマ処理したシリコンおよびダイヤモンド薄膜エミッタの熱電子放出電流を測定した結果、400~550 ℃において数mA/cm2の熱電子放出が得られた。500 ℃を超える温度領域では、残留ガスによりエミッタ表面の原子構造が変化し放出電流が低下するが、エミッタ表面を酸素終端しセシウムを吸着させることで電子放出低下の軽減を期待できる。
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