研究課題
車載用電力変換器におけるGaNパワー半導体の適用を行い、電力変換器に使用されるインダクタやキャパシタの受動素子、さらに冷却システムを含めた体積最適化設計を行うことで、最高電力密度を実現可能な駆動周波数を算出した。さらに、この駆動周波数に適したGaNパワー半導体のゲート駆動回路の最適化設計を行い、最も低損失で駆動可能なゲート駆動回路の実機構築を行った。最終的には、車載において重要な電力変換器であるインバータとDC-DCコンバータの双方について、バッテリ電圧350Vと仮定した状態で、補記類用絶縁DC-DCコンバータ、並びに電動パワーステアリング用インバータを想定して、それぞれ、1.6kW、1.1kW出力時における最高電力密度を実現可能なスイッチング周波数を算出後、最適化設計を行い、高電力密度電力変換器の実機構築を行った。結果、GaNパワー半導体を適用した絶縁型DC-DCコンバータにおいて3.06W/ccという世界的に見ても非常に高電力密度である電力変換器を実装することができている。性能としては、350V入力で1.6kW出力時に97.4%の高効率を維持することができており、スイッチング周波数は200kHzに設計実装している。このスイッチング周波数は、50kHzから1MHzの範囲内において、電力変換器の体積が最も最小化できる性能獲得のためにシステム設計を行うことで算出されたものである。1.7kW出力時においても、GaNパワー半導体の低損失性能により、空冷方式(自然空冷方式)による冷却にて実機構築が可能となっている。
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
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