研究課題/領域番号 |
26420241
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
千住 智信 琉球大学, 工学部, 教授 (40206660)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 風力発電 |
研究実績の概要 |
風力発電機の故障発生原因として挙げられる増速機の故障は、風車と発電機間の軸ねじれトルクが増大することにより過大なトルクが増速機に印加されるためである。これまでの風力発電機の制御では、軸ねじれトルクに関するパラメータ変動に関するロバストな制御器に関する研究はほとんど報告されていない。そこで、本研究では、風力発電機の軸ねじれトルク抑制を実現するための制御器に関する研究を実施している。 本研究では風力発電機に発生する過大な軸ねじれトルクを抑制するためにパラメータ変動にロバストであるとされるH無限大制御器を導入した。本年度では、先ず機械駆動系のモデルを含む風力発電システムの数学モデルを検討した。数学モデルは、機械駆動系の多慣性システムを正確にモデル化できる高次の数式モデルを採用した。次に風力発電システムの機械系と電気系の数学モデルを用いてH無限大オブザーバを設計した。H無限大オブザーバにより、観測不可能な機械・電気系の状態を検出することが可能である。設計されたH無限大オブザーバを利用し、計算機シミュレーションによりH無限大制御に必要な情報が正確に推定できる事を確認した。計算機シミュレーションにより推定されたねじれトルクが実際のねじれトルクとほぼ同一であることも確認している。設計されたオブザーバは周波数領域の性能で評価できるので、外部ノイズ等に対しても有効に適用可能であることもシミュレーションにより確認されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
シミュレーションに関しては想定された結果が得られているため、おおむね順調に研究は進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
次のステップとしてH無限大制御器を設計する。H無限大制御器としては種々の方法がこれまで提案されているが、本研究で対象とする多慣性系の共振特性を陽に評価するために、ループ整形設計手法に基づく手法を採用する。設計されたH無限大オブザーバとH無限大制御器を用いて所望の特性が得られることをシミュレーションにより確認する。本研究では、無制御時のねじれトルクを10%以内に抑制することを想定しているが、この段階で所望のねじれトルクの抑制効果が得られない場合は、H無限大制御器やH無限大オブザーバの設計手法として、μ設計手法や線形行列不等式(LMI) に基づく制御系設計手法等の適用を試みる。
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