研究課題/領域番号 |
26420243
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
森本 茂雄 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00210188)
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研究分担者 |
井上 征則 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50580148)
真田 雅之 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90264803)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 永久磁石同期モータ / 設計支援システム / 高効率 |
研究実績の概要 |
本課題に関連する研究資料として,永久磁石同期モータ(PMSM)の各種構造やその解析結果、特性などについて、電気学会やIEEEなど関連する国内外の学会、研究会の論文・資料等を継続して収集し、整理・分析を行った。 昨年度、モータに供給できる電圧や電流などの制約条件を考慮して、モータ電流の振幅と位相(電流ベクトル)を最適に制御することで得られる速度-トルク特性とモータパラメータ(永久磁石による電機子鎖交磁束およびd,q軸インダクタンス)の関係を明らかにしたが、この関係をさらに厳密に表現するための改良を加えた。 表面磁石同期モータについて、要求される速度-トルク特性から得られるモータパラメータの範囲とステータ外径およびエアギャップ長を与えることで、モータの積厚、ロータ外径、ヨーク幅、ティース幅および磁石寸法を決定するアルゴリズムを完成させた。また、各設計変数には自由度があるため、各構造寸法の選択可能範囲や特性への影響などについて検討し、構造寸法選択の目安を明らかにした。 具体的な設計事例として、2つの要求出力点を設定して表面磁石同期モータを設計し、得られた構造寸法を有するモータの特性を有限要素法による磁界解析で評価して要求仕様を満足していることを確認した。また、これらの研究成果を国内の関連学会で2回発表した。 より設計自由度のある埋込磁石同期モータについても設計パラメータ(寸法、形状)とモータパラメータの関係をパーミアンスモデルをもとにして導出した。モータパラメータと構造の仕様(ステータ外径およびエアギャップ長)より、各種構造パラメータを導出する手法について検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
モータの電圧・電流の制約条件を考慮したときの速度-トルク特性とモータパラメータ(永久磁石による電機子鎖交磁束およびd,q軸インダクタンス)の関係を表す方法は完成した。 表面磁石同期モータについて、要求される速度-トルク特性(複数の要求出力点)からモータの構造パラメータを決定するアルゴリズムが完成した。さらに、その有効性を磁界解析を用いて検証した。 埋込磁石同期モータについても設計パラメータ(寸法、形状)とモータパラメータの関係をパーミアンスモデルをもとにして導出したが、表面磁石同期モータに比べて設計変数の自由度が大きいため構造寸法を決定する手法について、継続して検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
埋込磁石同期モータについて,モータパラメータ(永久磁石による電機子鎖交磁束およびd,q軸インダクタンス)から各種構造パラメータを決定するアルゴリズムを構築する。埋込磁石同期モータは構造設計自由度が非常に高いため、代表的な基本構造に的を絞るとともに、磁界解析の結果も利用して各種構造寸法とモータパラメータおよびモータ特性の関係を明らかにする。これらの結果をもとにして埋込磁石同期モータの設計支援システムを構築し、その有効性を検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度に予定していた成果発表のための国際会議への出張が研究進捗の遅れにより行えなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
関連研究の調査および研究成果の発表のため、国内の学会および国際会議に参加する予定であり、学会参加費および出張費を使用する。 埋込磁石同期モータにおける設計支援システムの構築が遅れているため、磁界解析により各種構造寸法とモータパラメータおよびモータ特性の関係を明らかにする必要があり、これを加速的に進めるために電磁界解析ソフトウェア(JMAG-Designer Ver.15.0 (株式会JSOL))とパソコンを購入する。
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