研究課題/領域番号 |
26420244
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
黒木 智之 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00326274)
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研究分担者 |
大久保 雅章 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40223763)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | プラズマ / 水中放電 / 超音波 / 廃水処理 |
研究実績の概要 |
溶液中あるいは気液界面において常温・常圧下でのパルス放電プラズマを発生させ,これと溶液に対する超音波振動による超音波化学反応を併用したプラズマ-超音波複合技術による革新的廃水処理の反応メカニズムの解明を目的とする.これまでの研究成果をもとに試験で使用するプラズマ-超音波複合リアクタを新たに設計,製作した.放電による水処理では液中で放電させる方法と,気液界面で放電させる方法があるため,本研究では液中及び気液界面のどちらにも対応可能なように上下可動式の放電電極を採用した.電源については周波数可変パルス高電圧発生装置を用いた.超音波照射については,放電場に直接振動子を設置することは困難であることから間接照射方式を用いる.また,プラズマ-超音波の相乗効果を評価する方法として,①パルス放電プラズマと超音波を同時に駆動する方法,②パルス放電プラズマ処理後超音波処理を行う方法,③超音波処理後パルス放電プラズマ処理を行う方法の3パターンが考えられる.これまでの気液界面パルス放電プラズマを用いた水処理に関する研究により,ガスをプラズマリアクタへ供給することでガスを供給しない場合に比べ反応が促進することがわかっていることから,ガス供給方法に関しては,液中でバブリングさせ供給可能な構造とした.パルス放電プラズマおよびプラズマ-超音波複合処理での難分解性有機物の分解特性の把握するため,フェノール溶液に対してそれぞれ単独に用いて難分解性有機物処理実験を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの研究成果をもとに試験装置の設計および製作を行い,装置を完成させることができた.また,実験時には実験装置の故障や不具合などが発生したが,予定していたパルス放電プラズマおよびプラズマ-超音波複合処理を用いた難分解性有機物の分解特性を把握することを目的とした,フェノール溶液に対するそれぞれ単独に用い場合の難分解性有機物処理実験を行うことができた.
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今後の研究の推進方策 |
H26年度に行った実験では超音波発振器の不調及び故障により,プラズマ-超音波複合処理においてプラズマと超音波の相乗効果が見られなかったため,新たに高出力の超音波発振器を購入し実験を行う予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
使用していた超音波発振器の不調,故障により,新たに高出力の超音波発振器を購入することにしたが,購入を検討した時期が遅く,年度内の納品が困難であった.そのため物品費の支出を抑制し,その分を次年度に繰り越すことにした.
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次年度使用額の使用計画 |
繰り越した予算と今年度の予算を用いて超音波発振器を購入する.
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