研究課題/領域番号 |
26420244
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
黒木 智之 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00326274)
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研究分担者 |
大久保 雅章 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40223763)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | プラズマ / 水中放電 / 超音波 / 廃水処理 |
研究実績の概要 |
昨年度に引き続きパルス放電プラズマを用いた難分解性有機物分解実験を実施した.針-平板の電極間隔を変化させることにより液中プラズマの放電形態をストリーマ放電とスパーク放電の2種類に変化させ,フェノール分解に及ぼす影響についての評価を行った.また,分解効率を向上させるために,新たに過酸化水素水を添加した実験も行った.実験には濃度が35mass%の過酸化水素水を用い,添加量を0.5,1.0 mLに変化させ実験を行った.この時の処理液中の過酸化水素濃度はそれぞれ0.023, 0.046 mol/Lである.結果は以下のようにまとめられる.(1)過酸化水素水の添加量を増加させることによってフェノール除去率が高くなり,過酸化水素水 1.0 mLを添加したときのスパーク放電の条件でフェノール除去率が97.9%となり,最大となった.(2) 過酸化水素水の添加量を増加させることで,スパーク放電,ストリーマ放電ともに分解エネルギー効率が向上した.また,その影響はストリーマ放電に比べ,ストリーマ放電の方が大きかった.プラズマ単独処理ではスパーク放電の方が分解エネルギー効率が高かったが,過酸化水素水の添加量を増加させるとその値は逆転した.(3)プラズマ-超音波複合処理において,スパーク放電では,83.1%,ストリーマ放電では17.5%の除去率が得られた.しかしながら,本実験では複合による効果を得ることができず,超音波発振器の出力や周波数などの条件をさらに検討していく必要がある.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究室移転に伴う実験装置の再構築および,想定外の装置・分析機器の故障により超音波とプラズマを併用した実験を十分に行なうことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
複合による効果を得ることができなかったため,超音波発振器の出力や周波数の条件を検討していく。また,リアクタ自体も改良していく。
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