ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜は,高高度,低摩擦,耐摩耗などの優れた機械的特性を有しているため,自動車業界を中心とした産業界において超高速成膜が強く望まれ,精力的に研究開発がなされている.本応募課題では,そのための方策の1つとして大気圧炭化水素プラズマ支援CVD法に着目し,プラズマシミュレーションおよび計測の両面から研究を実施した.その結果,プラズマ計測からは,DLC成膜に寄与する基板へ入射する炭化水素イオン種やラジカル種の同定ならびに入射量の比が明らかになり,プラズマシミュレーションからは大気圧プラズマ制御のためには電離増倍の適切な抑制が必要であることが明らかとなった.
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