研究課題/領域番号 |
26420252
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
森 啓之 明治大学, 総合数理学部, 教授 (70174381)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 時系列予測 / 電力価格 / クラスタリング / カーネルマシン / ガウシアンプロセス / エラーバー / 不確定性 / ハイブリッドシステム |
研究実績の概要 |
本年度においてはパターン認識手法として有名なSVM(Support Vector Machine)を拡張したカーネルマシンのガウシアンプロセス(GP)の応用について研究した。GPの階層的ベイズ推定を用いた1ステップ先の電力価格予測法を米国PJM( Pennsylvania-New Jersey-Maryland)のボストンにおけるLMP(Locational Marginal Price;地域別限界費用)価格データに適用した。ここで、LMPとは電力システムにおけるある特定ノードにおいて電力需要の1単位あたりの増分に対する総費用を示す。具体的には、LMPは限界発電費用、限界損失費用、送電ネットワーク混雑費用から構成されている。また、GPの利点は、他の手法のニューラルネットのMLP(多層パーセプトロン)と比較して、予測値の平均値の予測精度が良いことが計算機シミュレーションで分かった。予測値誤差の分散、最悪値評価について良好な結果が得られた。ニューラルネットのMLPと異なり、予測誤差の標準偏差を示すエラーバーを評価できる特徴がある。このエラーバーは、時系列予測の不確定性を評価する際、非常に役立つ指標である。 GPの性能を向上させるために、データクラスタリング手法とGPを融合することについて検討した。入力データを分類するk-meansを前処理手法として用いる方法を提案した。入力されたデータは複数のクラスタに分類され、各クラスタごとにGPを構築する手法について研究し、前処理手法が有効であることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度においてカーネルマシンのガウシアンプロセスのプログラムとk-meansデータクラスタリングの融合手法のプログラムを開発することができたから
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究として、入力データのクラスタリング手法であるk-means手法の精度改善および電力価格予時系列に時々、現れるスパイクの対処法について研究する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、購入を考えていたワークステーション3台から、性能向上およびコストダウンしたワークステーション2台へ変更したため
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次年度使用額の使用計画 |
2015年11月に米国サンノゼで開催される国際会議CAS2015(Complex and Adaptive Systems 2015)における研究発表の旅費の一部として使用
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