前年度では、大型化に向けて、プロジェクタからの照度が低い場合でも精度良く異常セルと正常セルを判別することができるような新たな判別方式(電圧型)を開発し、特許出願を行った.そして、室内におけるセルの形状とセル配置に対応した影を付加するアニメーションを製作した.また、プロジェクタの設置台(移動型)を製作した.さらに、パネルにおける赤外線カメラでのホットスポット発生セルのチェックを行い、本診断方式による異常セルと赤外線カメラによる発熱が一致することを確認した.室内においてストリング構成したモジュール群で検査可能であることを実証した. 本年度は、前年度に開発した電圧型の判別手法を用いることを前提として、屋外に設置されている大型システムの設置条件を考慮して10°~30°の傾斜を持つ実際に置かれた太陽電池モジュール群に対応したアニメーションを製作した.このアニメーションは任意の形状に対応させた汎用性のあるものである.なお、計測システムとプロジェクタの投影システムの通信は有線で対応可であった.屋外におけるプロジェクタの専用台の製作を行った.構築したシステムを用いて室外に置かれた大型太陽電池モジュール群のホットスポット検出の実験を行い、精度良く欠陥セルを検出でき、その結果はサーモグラフィによる温度測定結果と一致することを明らかにした(国際学会ICPRE2016(IEEE)).これらの成果をジャーナル(EnergiesおよびJournal of Energy and Power Engineering)に投稿し掲載された. 以上より、本研究の目的はほぼ達成されたと考えられる.
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