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2014 年度 実施状況報告書

誘電体薄膜材料のミリ波複素誘電率評価手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26420266
研究機関宇都宮大学

研究代表者

古神 義則  宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10260473)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード誘電体薄型試料 / 誘電率計測 / ミリ波
研究実績の概要

まず、従来の遮断円筒導波管を用いた場合に、試料厚みが発生することによる誤差増大のメカニズムを、計算によって明らかにした。遮断円筒導波管法による誘電率の測定結果の不確かさの最大要因は試料厚みの測定誤差によることが分かっていたが、試料が10ミクロン以下の厚みになると、導体空洞の寸法の測定誤差の影響が急激に大きくなることが分かった。この結果を確認すべく、試料厚みを数ミクロンから数十ミクロンにした同一材料のサンプルを作成し、誘電率測定結果の厚み依存性を確認したところ、計算により予測結果と一致するという結果を得た。
このことは、本研究の必要性を明確に示すものであり、本研究の「試料以外の測定系のパラメータに存在する不確かさの影響を消去する」という点が、薄方試料測定精度の鍵を握ることが示されるとともに、測定装置を作成する上で、高い工作精度が特に必要な箇所を特定する上で、貴重な知見を得ることが出来た。この結果を踏まえ、研究計画に沿って誘電体薄膜評価用測定装置の作成に取り掛かった。
一方、自動測定プログラムの開発については、共振特性を効率よくかつ高精度に取得するためのアルゴリズムを開発すべく、予備実験を行った。その結果、測定器備え付けのカーソル法による電力半値幅の読み出しに大きな誤差が含まれる場合がある事を見出し、その際の有効な対策を考案しその妥当性を実証した。現在、この知見をもとに誘電率測定のための共振特性取得ソフトウェアを開発している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

測定装置および測定用ソフトウエアを開発するに当たり、測定誤差発生の要因を確認するために相当の計算及び実験を要したため

今後の研究の推進方策

測定誤差要因が特定できたため、実験装置作製の際に大いに参考となる知見を取得できた。現在まで、測定系に必要な自動ステージ、コントローラ、制御用計算機、インータフェイスなど必要な部品がそろい、測定装置を組み立てておりまもなく完成する予定である。測定装置以外の必要物品は昨年度使用したものがそのまま利用可能であるので、昨年度分の研究計画の積み残し分は早々に実行できる見込みである。その後は当初の研究計画どおり、端板と空洞接触部の回路パラメータの推定法の確立による測定精度の向上、各種薄膜材料の複素誘電率測定実験、温度特性測定機能の付与と温度特性測定実験に取り掛かる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] ccurate Evaluation Technique of Complex Permittivity for Low Permittivity Dielectric Films Using a Cavity Resonator Method in 60 GHz Band2015

    • 著者名/発表者名
      Takashi Shimizu, Shunsuke Kojima, Yoshinori Kogami
    • 雑誌名

      IEEE Trans. on Microw. Theory and Tech.

      巻: vol.63, no.1 ページ: 279-286

    • DOI

      10.1109/TMTT.2014.2375830

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 銅張誘電体基板のマイクロ波帯における実効導電率と粗さパラメータの相関に関する実験的検討2014

    • 著者名/発表者名
      清水隆志, 霜田雄佑, 菊池幸市, 古神義則
    • 雑誌名

      電子情報通信学会論文誌C

      巻: vol. J97-C, no. 12 ページ: 519-527

    • 査読あり
  • [学会発表] 誘電体フィルムのミリ波複素誘電率測定に及ぼす空洞共振器パラメータの誤差の影響2015

    • 著者名/発表者名
      [1]土屋広樹, 清水隆志, 古神義則
    • 学会等名
      2015電子情報通信学会総合大会
    • 発表場所
      滋賀県草津市
    • 年月日
      2015-03-13
  • [学会発表] 空洞共振器法を用いた誘電体フィルムのミリ波複素誘電率測定に関する検討2014

    • 著者名/発表者名
      [4]小島駿佑, 土屋広樹, 清水隆志, 古神義則
    • 学会等名
      電子情報通信学会マイクロ波研究会
    • 発表場所
      秋田県秋田市
    • 年月日
      2014-10-24
  • [学会発表] 誘電体フィルムのミリ波複素誘電率測定に関する検討(2) -薄型材料評価用57GHz空洞共振器を用いた複素誘電率測定-2014

    • 著者名/発表者名
      [6]小島駿佑, 清水隆志, 古神義則
    • 学会等名
      2014電子情報通信学会ソサイエティ大会
    • 発表場所
      徳島県徳島市
    • 年月日
      2014-09-11
  • [学会発表] 誘電体フィルムのミリ波複素誘電率測定に関する検討(1) -60GHz円筒空洞共振器による複素誘電率測定-2014

    • 著者名/発表者名
      土屋広樹, 清水隆志, 古神義則
    • 学会等名
      2014電子情報通信学会ソサイエティ大会
    • 発表場所
      徳島県徳島市
    • 年月日
      2014-09-11

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公開日: 2016-05-27  

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